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公教育に関わる仕事とは?教師以外も含む仕事の種類と、自分に合う関わり方

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公教育に関わる仕事は教師だけではない

公教育に関わる仕事というと、教師を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、学校教育は教師だけで成り立っているわけではありません。学校では、心理・福祉・医療・ICT・事務などの専門性を持つ人が子どもや教職員を支えています。学校の外でも、教育委員会事務局、自治体、NPO、企業、大学、地域住民などが、制度づくり、人材育成、教材開発、調査研究、地域連携を通じて公教育に関わっています。

文部科学省も、複雑化・多様化する学校課題に対応するため、教員と多様な専門スタッフが連携する「チームとしての学校」を重視しています。公教育に関わる方法は、教師として教室に立つことだけではありません。自分の経験や専門性を、子どもの学びや学校の改善につなげるさまざまな仕事があります。

参考:チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)(中教審第185号)|文部科学省

仕事は大きく4つに分けられる

本記事では、公教育に関わる仕事を、主な役割に応じて便宜上4つに整理します。これは法律上の分類ではなく、一つの仕事が複数の領域にまたがる場合もあります。

分類主な職種・仕事
子どもに直接関わる教諭、講師、養護教諭、栄養教諭など
学校を支えるスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、学校司書、学校事務職員、ICT支援員など
行政や制度から支える教育委員会事務局職員、指導主事、国・自治体の行政職員など
学校外から支える教育NPO、企業、大学、地域学校協働活動推進員(コーディネーター)など

大切なのは、「教師になるか、ならないか」の二択ではなく、子どもや学校にどのような立場から関わりたいかを考えることです。

参考:教育委員会制度について|文部科学省

そもそも公教育とは何か

「公教育」には、法令上の一義的な定義があるわけではありません。本記事では、国公私立の学校教育と、それを支える行政、地域、NPO、企業などの取り組みを含めて「公教育」と捉えます。

日本国憲法第26条は、教育を受ける権利と義務教育の無償を定めています。教育基本法は、教育の機会均等や義務教育に対する国・地方公共団体の責任を示し、法律に定める学校が「公の性質」を持つことも定めています。そのため、本記事では公立学校だけでなく、法令に基づいて学校教育を担う私立学校も公教育を担っていると位置づけます。

参考:日本国憲法|衆議院
参考:教育基本法|文部科学省

公教育と民間教育の違い

本記事でいう「民間教育」とは、学習塾、オンライン学習サービス、習い事、放課後プログラムなど、企業・NPO・個人が主に学校外で提供する教育を指します。これは記事上の便宜的な整理であり、私立学校と同じ意味ではありません。

観点公教育本記事でいう民間教育
主な役割幅広い子どもの教育機会と共通の学びの基盤を支える個別の目的や関心に応じた学びを提供する
主な担い手国、地方公共団体、学校法人、学校の教職員など企業、NPO、民間団体、個人など
教育内容法令や学習指導要領などに基づく提供者が目的や対象に応じて設計する
利用方法義務教育を含む学校教育原則として本人や家庭が選択する
費用国公立学校における義務教育では授業料を徴収しない利用者が費用を負担するサービスが多い

教育基本法第5条第4項では、国または地方公共団体が設置する学校における義務教育について、授業料を徴収しないと定めています。ただし、学校教育に伴うすべての費用が無償になるという意味ではありません。

私立学校は学校法人などが設置しますが、学校教育法や私立学校法に基づく正式な学校です。公教育と学校外の民間教育は対立するものではなく、企業やNPOが学校・教育委員会と協働し、探究学習やキャリア教育などを支えることもあります。

参考:学校教育法|e-Gov法令検索
参考:私立学校法|e-Gov法令検索

公教育に関わるとはどういうことか

公教育に関わるとは、すべての子どもの学びや成長を支え、より良い教育環境をつくるために、自分の立場や専門性を生かすことです。

授業や相談支援を通じて子どもを直接支える方法だけでなく、教材開発、ICT環境の整備、学校事務、教員研修、教育政策、調査研究、地域連携などを通じた関わり方もあります。教育基本法第13条も、学校、家庭、地域住民などの相互の連携・協力を定めています。

また、コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)は、学校と地域住民などが目標やビジョンを共有し、学校運営に地域の声を生かす仕組みです。公教育への関わりを考える際は、勤務先が学校かどうかだけでなく、自分の仕事が子どもの教育機会や学校の改善にどうつながるかを見ることが重要です。

参考:コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)|文部科学省

公教育に関わる仕事の種類

教室で子どもに直接関わる仕事

代表的なのは、教諭や講師です。授業に加え、学級経営、生徒指導、進路指導、学校行事、保護者との連携などを担います。

ほかにも、子どもの心身の健康を支える養護教諭、学校給食を活用した食に関する指導などを担う栄養教諭などがいます。子どもの変化を継続的に見守れる一方、授業だけでなく学級や学校生活に対する責任も伴う仕事です。

参考:学校教育法|e-Gov法令検索

学校を支える仕事

学校には、教員以外にも専門性を生かして子どもや学校組織を支える仕事があります。

スクールカウンセラーは心理面から相談支援を行い、スクールソーシャルワーカーは福祉の視点から子どもを取り巻く環境へ働きかけ、関係機関と学校をつなぎます。学校司書は読書活動や調べ学習を支え、ICT支援員は端末や学習ソフトの活用を支援します。

特別支援教育支援員、医療的ケア看護職員、外国語指導助手(ALT)なども、子どもの学習や学校生活を支える担い手です。学校事務職員は、予算、文書、備品、施設、就学支援などを通じて学校運営を支えます。必要な資格や雇用形態は職種・自治体によって異なるため、応募時には個別の募集要項を確認しましょう。

参考:チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)(中教審第185号)|文部科学省

行政や教育委員会で支える仕事

教育委員会とその事務局は、公立学校の設置・管理、教職員の人事・研修、教育課程、生徒指導、教科書採択、学校施設の整備など、地域の教育に関する幅広い業務を担います。

教育委員会事務局職員は、教育施策、予算、人事、施設、ICT環境、就学支援などに携わります。指導主事は、教育課程や学習指導などの専門的事項について、学校や教職員への指導・助言を行います。子どもと毎日接する仕事ではなくても、制度や施策を通じて複数の学校へ働きかけられます。

参考:教育委員会制度について|文部科学省

学校外から公教育を支える仕事

NPO、企業、大学、地域団体などから公教育に関わる方法もあります。教材や教育プログラムの開発、探究学習・キャリア教育、教員研修、不登校支援、調査研究、政策提言、学校と自治体の連携支援などが代表例です。

地域学校協働活動推進員(コーディネーター)は、地域と学校の連絡調整、情報共有、地域学校協働活動の企画・調整・運営などを担います。教育NPOでは、教育事業の企画だけでなく、広報、採用、資金調達、効果検証、組織運営などの経験も生かせます。

参考:地域学校協働活動推進員(コーディネーター)の方|文部科学省

教員免許状が必要な仕事と、なくても関われる仕事

教員免許状が必要な職種(一例)

日本の学校で教員として教壇に立ち、授業を行うには、原則として学校種や教科に対応する教員免許状が必要です。幼稚園、小学校、中学校、高等学校の教諭のほか、養護教諭や栄養教諭にも、それぞれの免許状があります。中学校と高等学校の教員免許状は教科別です。

教員免許状には、普通免許状、特別免許状、臨時免許状があります。普通免許状は、大学や短期大学などで所定の単位を修得し、都道府県教育委員会へ授与申請を行う一般的な免許状です。特別免許状は、優れた知識・経験を持つ社会人などを教員として迎えるため、任命・雇用しようとする者の推薦に基づく教育職員検定を経て、都道府県教育委員会が授与します。

臨時免許状は、普通免許状を有する人を採用できない場合に限り、教育職員検定を経て都道府県教育委員会が授与する免許状で、助教諭または養護助教諭として勤務するために用いられます。教員になるには、教員免許状の取得に加えて、公立学校なら教育委員会、私立学校なら学校法人などによる採用も必要です。

参考:教員免許制度の概要|文部科学省
参考:教員免許状に関するQ&A|文部科学省

免許状がなくても挑戦できる職種(一例)

学校事務職員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、学校司書、ICT支援員、特別支援教育支援員、教育委員会事務局職員、教育NPO・企業の職員などは、教員免許状を必要としない場合があります。

ただし、心理、福祉、司書、看護などの別の資格や、専門分野の実務経験が求められる職種もあります。「教員免許状が不要」と「資格や専門性が不要」は同じではありません。

また、教員免許状を持たない社会人が、専門的な知識・技能を生かして教科の一部を担当する特別非常勤講師制度があります。免許状を持つ教員と常に一緒に授業を行うゲストティーチャーなどの関わり方もあります。

参考:学校における外部専門人材の活用について(特別免許状及び特別非常勤講師制度)|文部科学省

社会人から教室に立つルート

本記事では、社会人が教室に立つ代表的な方法を5つに整理します。

  1. 大学や通信教育課程などで普通免許状を取得する
  2. 対象となる学校種・教科の教員資格認定試験に合格し、普通免許状の授与を申請する
  3. 社会人経験を生かし、特別免許状を活用する採用に応募する
  4. Teach For Japanのフェローシップ・プログラムなど、自治体と連携したプログラムに応募し、臨時免許状や特別免許状などを活用して教室に立つ
  5. 特別非常勤講師やゲストティーチャーとして、専門分野など限定された内容を担当する

Teach For Japanのフェローシップ・プログラムは、応募時点で教員免許状の有無を問いません。選考や研修を経たうえで、連携自治体との調整、採用、教員免許状に関する手続きなどを経て、教師として学校現場に赴任します。

ただし、教員免許状を持たないまま教師として勤務する仕組みではありません。教室に立つ際には、都道府県教育委員会から授与される臨時免許状や特別免許状など、制度に基づく教員免許状を活用します。

参考:教員免許状を持たない社会人が教職課程以外で教師になるには(特別免許状、特別非常勤講師、教員資格認定試験等)|文部科学省

自分に合う公教育との関わり方の選び方

子どもと毎日関わりたいか

最初に、子どもと直接関わりたいかを考えましょう。

子どもの日々の変化を見守り、授業や学級づくりを通じて成長を支えたいなら、教諭や講師が候補です。特定の課題や専門分野から支えたいなら、スクールカウンセラー、学校司書、ICT支援員などが考えられます。

子どもに直接関わるより、教員や学校組織を支えたい場合は、学校事務、教育行政、教材開発、教育NPOなども選択肢です。直接支援と間接支援のどちらも、公教育に欠かせません。

制度に関わりたいか、現場に関わりたいか

目の前の子ども、学級、学校に働きかけたいなら、教員や学校内の専門職など、現場に近い仕事が向いています。

一方、人員配置、予算、研修、学校施設、自治体の教育方針などを通じて複数の学校へ働きかけたいなら、教育委員会事務局や自治体の仕事が候補になります。学校と社会をつなぎたい場合は、NPO、企業、大学、地域連携の仕事もあります。

現場と制度は完全に分かれているわけではありません。学校現場で得た経験を行政やNPOで生かす人もいれば、企業や行政で得た経験を学校で生かす人もいます。「どちらを最初の活動場所にしたいか」という視点で考えると、選択肢を整理しやすくなります。

参考:教育委員会制度について|文部科学省

働き方・必要資格・生かせる経験で考える

仕事を選ぶ際は、次の3点を確認します。

  • 働き方:常勤・非常勤、勤務地、勤務時間、任期、異動、研修・支援体制
  • 必要資格:教員免許状、心理・福祉・司書・看護などの資格、実務経験
  • 生かせる経験:営業、人材育成、IT、福祉、企画、広報、国際協力など

例えば、営業や接客の経験は保護者・地域との関係づくり、人事・研修の経験はキャリア教育や人材育成、ITの経験はICT活用や業務改善に生かせる可能性があります。ただし、経験があるだけで特定の職種に就けるとは限りません。実現したいこと、子どもとの距離、資格要件、生活との両立を照らし合わせ、最新の募集要項で確認しましょう。

参考:学校における外部専門人材の活用について(特別免許状及び特別非常勤講師制度)|文部科学省

Teach For Japanという選択肢

認定特定非営利活動法人 Teach For Japan(以下、Teach For Japan)のフェローシップ・プログラムは、教員免許状の有無にかかわらず多様な人材を選考・研修し、自治体との連携を通じて2年間、教師として学校現場へ送り出すプログラムです。

フェローは学校を外から支援するボランティアではありません。赴任先の自治体と雇用契約を結び、必要な教員免許状の授与など所定の手続きを経て教師として勤務します。2年間の赴任中には、定期的な研修・面談が設けられ、修了後のキャリア相談も行われています。

参考:プログラム紹介|認定特定非営利活動法人 Teach For Japan

教員免許状がなくても挑戦できる理由

Teach For Japanは、応募時点で教員免許状の有無を問いません。ただし、教員免許状がなくても応募できることは、誰でもそのまま教師として赴任できるという意味ではありません。

選考を通過した後は、学習科学や脳神経科学などの知見を土台とする赴任前研修に参加します。この研修では、知識を受け取るだけでなく、自分自身の課題に向き合い、子どもの学びや成長を支えるために必要な力を主体的に身につけていくことが求められます。研修のプロセスを通じて、フェローとして学校現場に立つための準備を重ね、Teach For Japanからフェローとして認定される必要があります。

教員免許状を持たない参加者は、そのうえでTeach For Japanと連携自治体による調整を経て、都道府県教育委員会から授与される臨時免許状や特別免許状などを活用して赴任します。

つまり、応募後は、Teach For Japanの選考、赴任前研修、フェロー認定、自治体との調整、採用、都道府県教育委員会による教員免許状に関する手続きなどを経て、初めて教師として学校現場に赴任する流れになります。教員免許状がなくても挑戦できる一方で、学校現場に立つためには、自ら学び続ける姿勢と、所定のプロセスを通過することが必要です。

参考:フェロー採用|認定特定非営利活動法人 Teach For Japan
参考:教員免許状に関するQ&A|文部科学省

参加者の実践

本プログラムの参加者には、教育業界以外での経験や留学経験を経て、学校現場で子どもたちと向き合ってきた人がいます。以下に一例をご紹介します。

増永純女さんは不動産業界を経て小学校へ赴任し、表現教育に関する経験を生かした活動に取り組みました。北敢さんは不動産・人材業界での経験を背景に、子どもが将来について考えるキャリア教育を実践しました。黒澤永さんは外国語学部での学びや留学経験を生かし、生徒が英語を実際に使う学習機会をつくってきました。

これらは個人の実践例であり、すべてのフェローが同じ活動を行うわけではありません。一方で、社会人経験を「子どもにどのような学びや選択肢を届けられるか」という視点で教育実践へつなげられることを示しています。

参考:子どもの「選択肢」を広げるために、ヤングアメリカンズを学校に届けたい!|認定特定非営利活動法人 Teach For Japan
参考:教育は難しくない。目の前の子ども達に、大人が楽しんで生きる姿を見せ続ける|認定特定非営利活動法人 Teach For Japan
参考:「紛争のない世界、平和な世界の実現」のために|認定特定非営利活動法人 Teach For Japan

修了後に広がるキャリア

2年間の修了後は、教師を続ける人のほか、教育行政、学校運営、NPO、大学院・研究などへ進む人もいます。

プログラム修了後のキャリアは、一人ひとりの関心や課題意識によって広がっていきます。実際に、修了後も教員を続けながらキャリア教育に取り組む人、自治体で教育行政に携わる人、校長補佐として学校運営を支える人、海外の大学院で教育研究に取り組む人などがいます。

子ども、保護者、教職員、地域と直接関わった経験は、その後のキャリアを考える土台になっています。

参考:インタビュー|認定特定非営利活動法人 Teach For Japan

よくある質問

教員免許状がなくても公教育に関われますか

はい。学校事務職員、ICT支援員、学校司書、地域学校協働活動推進員(コーディネーター)、教育委員会事務局職員、教育NPO職員など、教員免許状を必要としない仕事があります。ただし、職種によって別の資格や経験が求められます。

教員として授業を担当するには原則として教員免許状が必要ですが、特別免許状、臨時免許状、特別非常勤講師制度など、社会人の知識や経験を生かす仕組みもあります。

参考:教員免許状に関するQ&A|文部科学省

社会人から教育に関わるには何から始めればいいですか

まず、子どもと直接関わりたいのか、学校組織を支えたいのか、制度や地域へ働きかけたいのかを整理しましょう。そのうえで、関心のある職種の仕事内容、必要資格、雇用形態、勤務地、研修制度を確認します。

次に、営業、IT、福祉、人材育成、企画など、これまでの経験が教育でどう生かせるかを棚卸しします。自治体や団体の説明会、採用情報、経験者インタビューなどを通じて、仕事の実情を知ることも重要です。

教師を目指す場合は、普通免許状の取得、特別免許状を活用する採用、Teach For Japanのようなプログラムなど、複数のルートを比較してください。

参考:教員免許状を持たない社会人が教職課程以外で教師になるには(特別免許状、特別非常勤講師、教員資格認定試験等)|文部科学省

教師以外で学校に関わる仕事はありますか

あります。スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、学校司書、ICT支援員、特別支援教育支援員、医療的ケア看護職員、学校事務職員、地域学校協働活動推進員(コーディネーター)などが代表例です。

学校外からも、教育NPOや企業で、教材開発、探究学習、キャリア教育、教員研修、調査研究、学校・自治体との連携支援などに携われます。

公教育との関わり方に一つの正解はありません。自分が解決したい教育課題、子どもとの距離、必要資格、希望する働き方を整理し、自分に合った入り口を探すことが大切です。

参考:チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)(中教審第185号)|文部科学省

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