コラム column

高卒から教員免許を取る方法とは?2つのルートと取得条件を解説

  • Instagram
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • メルマガ
  • Podcast on Spotify
  • Apple Podcasts
  • YouTube
  • TikTok
  • InkedIn

高卒の方でも、教員免許を取得する方法は主に2つあります。1つは通信制大学などに入学して教職課程を修了し、普通免許状を取得する方法。もう1つは、大学等に通わずに受験できる「教員資格認定試験」に合格し、二種免許状を取得する方法です。

この記事では、それぞれの方法の特徴や条件、注意しておきたいポイントを整理し、免許取得後に教員になるための選択肢まで解説していきます。

この記事でわかること

  • 高卒から教員免許を取得する2つのルートの違い
  • 「教員資格認定試験」の対象校種・受験資格・試験内容
  • 「特別免許状」という制度との違いと、押さえておくべき注意点
  • 免許取得後、実際に教員になるための選択肢

高卒でも教員免許は取得できるのか

結論から言うと、高卒の方でも教員免許を取得することはできます。一般的には大学や短期大学の教職課程を修了して「普通免許状」を取得する方法が広く知られていますが、それ以外にも、教職課程を経ずに免許取得を目指せる制度が用意されています。

ただし、方法によって取得できる免許の種類や対象となる学校種、必要な期間・費用は異なります。まずは全体像を押さえておきましょう。

高卒者が使える2つの主な方法

①通信制大学等に入学し、教職課程を修了して普通免許状を取得する

もっとも一般的なのは、教職課程のある大学・短期大学(通信制を含む)に入学し、必要な単位を修得して「普通免許状」を取得する方法です。通学が難しい社会人や、働きながら学びたい方には通信制大学が選ばれることが多く、小学校教諭の免許を取得できる通信制大学もあります。

この方法のポイントは、中学校・高等学校の教科担任を目指す場合も含め、ほぼすべての校種・教科に対応している点です。ただし、高卒の方はまだ大学卒業という基礎資格を持っていないため、目指す免許の種類によって必要な年数が変わります。

  • 幼稚園・小学校・中学校の二種免許状を目指す場合:2年制の短期大学(通信制を含む)を卒業することで取得を目指せるため、最短2年
  • 高等学校の教員免許、または一種免許状以上を目指す場合:高等学校教諭には二種免許状という区分がなく、大学卒業(学士)が基礎資格になるため、最短4年

【関連記事】
【社会人向け】働きながら教員免許を取得する5つの方法と教員になる4つの方法!

②教員資格認定試験に合格し、二種免許状を取得する

もう1つの方法が、文部科学省が実施する「教員資格認定試験」に合格するルートです。大学等における教員養成課程を経ていない人にも、教員として必要な資質・能力を有すると認められれば免許取得の道を開く目的で設けられている制度で、合格すると都道府県教育委員会への申請により、二種免許状が授与されます。

この試験は現在、幼稚園・小学校・高等学校(情報)の3つの校種で実施されており、中学校の教科(国語・数学・英語など一般教科)は対象になっていません。中学校や高等学校(情報以外の教科)の教員を目指す場合は、①の教職課程を履修するルートを検討する必要があります。

受験資格は、高等学校を卒業した者、またはそれに準ずる大学等への入学資格を有する者で、受験する年度ごとに定められた生年月日の基準を満たしていることが条件です。年齢の上限は設けられていませんが、基準日は年度によって変わるため、出願を検討する際は必ずその年度の公式な受験案内で確認してください。

小学校教員資格認定試験の場合、試験は第1次試験(マークシート方式の筆記試験)と第2次試験(学習指導案の作成・模擬授業・individual面接など)に分かれており、第1次試験に合格した人のみが第2次試験に進めます。受験手数料は数万円程度で、通学して免許を取得する方法と比べると金銭的な負担は抑えられますが、合格率は高くないため、計画的な準備が必要です。

出願時期や試験日程、会場、受験資格の基準日は年度ごとに変更される可能性があります。最新の情報は、以下の公式ページで必ず確認してください。

参考:教員資格認定試験|独立行政法人教職員支援機構(NITS)

「特別免許状」は、自分で取得を目指せる制度ではない点に注意

教員免許に関する情報を調べていると、「特別免許状」という制度を目にすることがあります。これは、優れた知識・経験を持つ社会人等を教員として学校現場に迎え入れるための制度ですが、個人が自分の意思で申請して取得できるものではありません。

特別免許状は、都道府県教育委員会などの任命権者が、採用を前提に該当者を推薦することで授与される仕組みです。つまり「これから教員を目指したいので、特別免許状を取得したい」という形で個人が単独で動ける制度ではなく、あくまで自治体や学校側の人材確保の一環として運用されている点を押さえておく必要があります。

2つの方法の比較

比較項目①教職課程を修了して普通免許状を取得②教員資格認定試験に合格して二種免許状を取得
対象となる校種幼稚園・小学校・中学校・高等学校など、教科・学校種に応じて幅広く対応幼稚園・小学校・高等学校(情報)のみ
大学等への入学必要(通信制大学等を含む)不要(大学等に通わず受験できる)
期間の目安二種免許状(幼小中)なら最短2年、一種免許状・高校免許なら最短4年試験対策にかかる準備期間が中心
費用の目安学費が中心となるためまとまった費用がかかる大学の学費は不要だが、受験料や教材費がかかる
教員免許の種類普通免許状(一種・二種など)普通免許状(二種)

※費用・期間は個人の状況や選ぶ大学・学習方法によって幅があります。具体的な金額を検討する際は、各大学・試験実施機関の最新の案内を確認してください。

高卒から教員を目指す際に知っておきたい注意点

  • 教員資格認定試験は「教員免許状を取得するための試験」であり、教員採用選考試験そのものではありません。免許を取得したあとは、公立学校であれば都道府県・政令指定都市の教員採用選考試験、私立学校であれば各学校法人が実施する採用試験に、別途合格する必要があります。

  • 中学校・高等学校(情報以外)の教科担任を目指す場合、現状の教員資格認定試験の対象外となるため、大学等(通信制も含む)での教職課程履修が現実的な選択肢になります。

  • 受験資格の基準日や試験日程、出願期間は年度ごとに変わるため、思い立ったタイミングで公式の受験案内を確認することをおすすめします。

教員になるための選択肢|免許取得後の道と、免許取得を待たずに進む道

ここまで、教員免許そのものを取得する方法を中心に見てきました。免許を取得したあと、実際に教壇に立つための道としては、以下のようなものがあります。

  • 都道府県・政令指定都市等が実施する教員採用選考試験に合格する
  • 教育委員会に講師登録をし、講師として学校現場に入る
  • 私立学校の採用試験に応募する

一方で、教員免許の取得を待たずに教育現場に入るという選択肢もあります。それが、認定NPO法人Teach For Japan(以下、TFJ)が運営する「フェローシップ・プログラム」です。

TFJは、教育を通して社会をより良くしたいと考える多様な人材が学校現場で力を発揮できる仕組みづくりに取り組んでおり、応募資格は「高校卒業以上」であることなど数点のみで、大学卒業は必須条件になっていません。また、応募時点で教員免許を持っていない場合でも、連携している自治体が発行する臨時免許状や特別免許状の制度を活用することで、免許を持った状態で学校現場に赴任できる仕組みが整えられています。

これまでに多くの方がフェロー(教師)としてTFJのプログラムを通じて学校現場に赴任してきました。「まず免許を取ってから」という前提そのものを見直す選択肢として、検討してみる価値があります。

プログラム詳細はこちら

まとめ

高卒からでも、通信制大学等での教職課程履修、または教員資格認定試験への合格という2つのルートを通じて、教員免許を取得することは可能です。どちらを選ぶかは、目指す校種や教科、かけられる期間・費用によって変わってきます。

また、必ずしも「まず免許を取ってから」という順番にこだわる必要はありません。フェローシップ・プログラムのように、免許取得を待たずに教育現場へ入れる選択肢もあります。まずはご自身が目指す学校種・教科や、どのタイミングで教育現場に関わりたいかに合わせて、どのルートが現実的か整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。

【関連記事】
【令和8年度】小学校教員資格認定試験とは?年に1度の教員免許を取得できるチャンス!

よくある質問

Q. 高卒で中学校・高等学校の教員になることはできますか? 

教員資格認定試験は幼稚園・小学校・高等学校(情報)のみが対象で、中学校の一般教科や高等学校の情報以外の教科は対象になっていません。これらの校種・教科を目指す場合は、通信制大学等で教職課程を履修し、普通免許状を取得するルートが必要になります。

Q. 特別免許状を自分で申請して取得することはできますか? 

できません。特別免許状は、都道府県教育委員会などの任命権者が採用を前提に推薦する仕組みのため、個人が単独で申請・取得できる制度ではありません。

Q. 教員資格認定試験に合格すれば、すぐに教員になれますか? 

教員資格認定試験はあくまで免許取得のための試験です。合格後、公立学校であれば教員採用選考試験、私立学校であれば各学校法人の採用試験に、別途合格する必要があります。

Q. 教員免許を持っていなくても、教育現場で働き始めることはできますか? 

方法によっては可能です。たとえばTeach For Japanのフェローシップ・プログラムは、応募資格が高校卒業以上であり、応募時点で教員免許を持っていない場合でも、連携自治体が発行する臨時免許状・特別免許状の制度を活用して赴任できる仕組みが用意されています。まず自分で免許を取得してから教員を目指す方法だけでなく、こうした選択肢もあわせて検討してみるとよいでしょう。

  • Instagram
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • メルマガ
  • Podcast on Spotify
  • Apple Podcasts
  • YouTube
  • TikTok
  • InkedIn

教師になることに興味がある方

詳しく知りたい