教師の休みは多い?夏休み・有給休暇の実態をデータで解説
- コラム
結論|教師の休みは制度で定められており、働き方改革によって着実に見直しが進んでいる
教師の休日は、公立学校の教員の場合、「学校職員の勤務時間、休暇等に関する法律」により、土曜日・日曜日(週休日)、国民の祝日、年末年始(12月29日~1月3日)が休日と定められていると考えられます。子どもたちにとっての「夏休み」「冬休み」は学校教育法施行規則が定める休業日であり、こちらは教員自身の休みとは別のものです。
近年は、学校閉庁日の導入や有給休暇の取得促進、そして2025年に成立した改正給特法による処遇改善など、教師が休みを取りやすく、働きやすくするための制度整備が着実に進んでいます。本記事では、教師の休みの制度上の位置づけと勤務実態、そして現在進行中の働き方改革の中身を、文部科学省などの一次データをもとに整理してご紹介します。
教師の休日・休暇制度の基本
週休日・祝日・年末年始が「休日」
公立学校の教員は、地方公務員として「学校職員の勤務時間、休暇等に関する法律」の適用を受けます。同法では、日曜日・土曜日を週休日、国民の祝日および12月29日から1月3日までを休日と定めていると考えられます。土曜日まで授業を行う私立学校の場合は、教員も土曜日に出勤が必要になるケースがあります。
夏休みは「教員の休み」ではない
学校教育法施行規則が定める休業日(夏休み・冬休みなど)は、あくまで児童生徒が学校に登校しない日であり、教員の休日ではありません。夏休み期間中、教員は基本的に勤務日として出勤し、教材研究や事務作業、部活動指導などにあたっています。
【データで見る】教師の勤務状況
文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)」の確定値をもとに、データで教師の勤務状況を確認していきます。
参考:教員勤務実態調査(令和4年度)の集計(確定値)について|文部科学省
夏休み期間中の勤務
夏休みは子どもたちにとっての休業日であり、この期間の教師の過ごし方は、授業がある通常期間とは異なります。8月の平日20日間のうち、所定の勤務時間を勤務した日数は、小学校の教諭で5.6日、中学校の教諭で8.4日となっています。
残りの平日については、年次有給休暇や週休日の振替などを組み合わせて休みを取得しており、年休等(年休〈終日〉および週休日・休日の振替の合計)を取得した日数は、小学校で12.5日、中学校で8.7日となっています。中学校の出勤日数が小学校よりやや多い背景には、部活動の指導対応が必要になる場合が多いことがあると考えられます。夏休みは、児童生徒が登校する通常期間に比べてまとまった休みを確保しやすい時期であり、後述する学校閉庁日ともあわせて活用されています。
学校閉庁日という仕組み
まとまった休みを取りやすくするため、近年は多くの教育委員会が「学校閉庁日」を設定しています。文部科学省の調査でも、学校閉庁日を実施する学校の割合は平成28年度の調査時点と比べて大きく増加し、現在ではほとんどの学校で導入が進んでいることが報告されています。
学校閉庁日は、学校としての業務を原則休止する日であり、この期間に教員は年次有給休暇などをあわせて取得することで、まとまった休みを計画的に確保できる仕組みになっています。学校現場が組織的に「休みを取りやすくする」取り組みを進めている一例といえます。
教師の有給休暇はどれくらい取れている?
教員も地方公務員として、年次有給休暇(年休)が年間20日付与されるのが一般的です。ただし実際の取得日数は、文部科学省の調査によると、令和3年(1月~12月)の年間平均で小学校の教師が13.6日、中学校の教師が10.7日となっており、平成28年度の調査(小学校11.6日、中学校8.8日)と比べると増加しています。
このほか、多くの自治体では夏季休暇として数日程度の特別休暇を条例で定めていますが、具体的な日数は自治体によって異なります。詳細については、お勤め先(またはお住まいの自治体)の教育委員会の規定をご確認いただくのが確実です。
勤務時間の実態
教師の休みを考えるうえでは、日々の勤務時間の実態もあわせて知っておきたい情報です。同調査によると、令和4年度の1週間当たりの在校等時間(10・11月調査)は、小学校の教諭で52時間47分、中学校の教諭で57時間24分となっており、正規の勤務時間(週38時間45分)を上回っています。平成28年度の調査と比較すると在校等時間は減少しており、後述する働き方改革の効果が少しずつ表れてきていると考えられます。
教師という仕事への満足度
同調査では教師自身の満足度についても調べられており、「生活」「仕事」「雇用の安定性」「教師としての仕事そのもの」「給料以外の待遇や処遇(福利厚生など)」といった項目については、満足していない者の割合よりも満足している者の割合の方が高いという結果が出ています。また、授業や生徒指導といった子どもと直接関わる業務は、負担感が相対的に低く、やりがいや重要度が高いと感じている教師が多いことも示されています。
こうしたデータからは、勤務時間の長さという課題がある一方で、教師という仕事そのものへの手応えややりがいを感じている教師が多いことも見えてきます。
大きく動く働き方改革|2026年から段階的に進む処遇改善
教師の働き方をめぐっては、2025年6月に「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)等の一部を改正する法律」が成立し、2026年から段階的に施行されることになりました。
参考:給特法等一部改正法を踏まえた政省令の改正、指針の改正及び法施行に向けた留意事項について|文部科学省
改正の柱:教職調整額の段階的引き上げ
今回の改正の柱は、残業代の代わりに支給される「教職調整額」を、1972年の制度創設以来はじめて見直し、給料月額の4%から2026年1月以降1%ずつ段階的に引き上げ、2031年1月に10%とすることです。あわせて、学級担任を担う教員への手当加算や、校務の総合調整を担う新しい職「主務教諭」の設置も進められます。
勤務時間にも削減目標
法改正には政府が講じるべき措置として、教員の時間外在校等時間を2029年度までに月平均30時間程度へ削減するという目標や、教員1人当たりの担当授業時数の削減、教職員定数の改善、学校を支援する外部人材の増員、公立中学校の35人学級を2026年度から実現することなどが盛り込まれています。教育委員会には、業務量管理や教員の健康確保に関する計画の策定・公表も義務付けられました。
学校閉庁日の普及や有給休暇取得の促進に加え、こうした制度面での処遇改善が同時に進められていることは、教師という仕事の働きやすさが今後さらに高まっていく可能性を示していると言えるでしょう。
これからの教師の働き方
教師という仕事に関心を持つ方にとって、休みや働き方は気になるポイントの一つだと思います。学校閉庁日の普及や有給休暇取得の促進、そして2026年から段階的に進む給特法改正による処遇改善など、教師がより働きやすい環境へと整備が進んでいます。
教師という仕事のやりがいと、進みつつある働き方の変化の両方を知ったうえで、自分に合った関わり方をぜひ考えてみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 教師にお盆休みはありますか?
お盆期間中も平日であれば基本的には勤務日ですが、多くの自治体では学校閉庁日を設定し、この期間に休みを取りやすくしています。
Q. 教師の夏休みは何日くらいありますか?
子どもの夏休み期間の長さは自治体や学校によって異なりますが、期間中も教員は基本的に勤務日であり、学校閉庁日や年次有給休暇を活用して休みを確保しているのが実態です。
Q. 教師の有給休暇はどれくらい消化できていますか?
文部科学省の調査によると、年間の有給休暇取得日数は小学校の教師で平均13.6日、中学校の教師で平均10.7日となっています(令和4年度調査、令和3年1月~12月の取得実績)。平成28年度の調査と比べると増加傾向にあります。
Q. 教師の働き方は今後どう変わりますか?
2025年に成立した改正給特法により、2026年から教職調整額の段階的な引き上げや、時間外在校等時間を月平均30時間程度に削減する目標、教職員定数の改善などが進められる予定です。学校閉庁日の普及とあわせて、休みの取りやすさや働き方の改善が今後も進んでいくと考えられます。
まとめ|教師の休みは、制度と改革の両面から理解を深めよう
教師の休みは、法律で定められた休日と、夏休み期間中の勤務実態、そして学校閉庁日や有給休暇といった複数の仕組みが組み合わさってできています。加えて、2026年から段階的に進む給特法改正のように、働きやすさを高めるための制度改革も動き始めています。
教師という仕事の働き方を、制度の裏付けとともに理解しておくことは、これから教育に関わろうとする方にとっても大切な一歩です。気になる方は、実際に教員として学校現場に立った方々の声も紹介していますので、現場の声に触れてみてはいかがでしょうか。
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