教員免許を取り忘れた場合の対処法|今からできる4つの方法
- コラム
この記事でわかること
- 大学で教職課程を取らなかった、または単位を取りきれずに卒業してしまった場合でも、教員免許の取得が可能かどうか
- 大学に戻らずに免許を取る2つの制度(教員資格認定試験・特別免許状)の概要
- 免許を取得したうえで、教員になるための選択肢
結論|「取り忘れた」と思っても、免許取得の道は複数残っている
大学在学中に教職課程を取らなかった場合や、途中まで履修したものの単位を取りきれずに卒業してしまった場合でも、教員免許を取得する方法は今からでも複数残っています。すでに大学で修得した単位は、たとえ免許の取得に至らなかったとしても無効になりません。
本記事では、大学に戻って単位を修得するルートと、単位修得を経ずに免許を取得できる制度の両方を整理し、免許取得後に教員になるための選択肢まで一次資料に基づいてご紹介します。
1. まず整理したい|「教職課程を取っていない」とはどのケースか
このテーマで悩む方の状況は、大きく次の2つに分かれます。
- 大学在学中、教職課程そのものを一度も履修しなかった
- 教職課程を一部履修したが、必要単位を取りきれずに卒業してしまった
どちらのケースでも、対処の方向性は共通しています。まずは自分がどれだけの単位を修得済みかを確認し、不足分をどう補うかを検討することになります。
2. 大学で修得した単位はどうなる?
卒業までに教職課程の単位を取りきれなかった場合でも、既に修得した単位は無効になりません。文部科学省のQ&Aでも、まずは在学時にどの程度の単位を取得できていたかを確認するよう案内されています。確認の手順は次の通りです。
- 卒業した大学に「学力に関する証明書」の発行を依頼する
- その証明書を基に、居住する都道府県教育委員会に相談する
- 不足している単位を、同じ校種・教科の教職課程がある大学(科目等履修生等)で補う
なお、中・高等学校の「教科に関する科目」については、大学によって履修内容の扱いが異なる場合があるため、一般的包括的な内容を含む科目を履修するよう留意が必要です。小・中学校の免許を取得する場合は、7日間以上の介護等体験も必要になります。
参考:教員免許状に関するQ&A(Q2-2・Q2-4)|文部科学省
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3. 大学に戻って単位を修得するルート
教職課程を一度も取っていない場合、最も一般的なのは、通信制大学や科目等履修生制度を使って必要単位を修得する方法です。すでに大学を卒業している場合は、一般教養科目などを修得済みとみなせるケースが多く、教職に関する科目だけを追加履修すればよい場合もあります。
| ルート | 特徴 | 向いている人 |
| 通信制大学(正科生) | 学位も同時に取得。学習期間は数年単位 | 大学を卒業していない、または別の免許種を新たに一種免許状として取りたい人 |
| 科目等履修生 | 卒業資格を持つ人が、教職に関する科目のみを履修 | 大学を卒業済みで、単位の追加履修だけで済む人 |
| 教職特別課程 | 中・高の専修・一種免許状、特別支援学校教諭一種免許状に限り、大学卒業者が短期間で履修する課程。開設大学は限られる | 対象免許に合致し、開設校の近くに住んでいる人 |
いずれのルートも、教育実習や介護等体験の日程調整が必要になるため、働きながら取得する場合は勤務先との調整が課題になりやすい点は押さえておきたいところです。
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4. 大学の単位修得を経ずに免許を取る2つの制度
大学に戻ることが難しい場合、単位修得を経ずに免許を取得できる制度が2つあります。
教員資格認定試験
教員資格認定試験は、大学等での教員養成コースを経てきたかどうかを問わず、試験によって教員として必要な資質・能力を判定する制度です。文部科学省の事務を独立行政法人教職員支援機構(NITS)が担っています。合格者は都道府県教育委員会に申請することで、普通免許状(二種免許状等)の授与を受けられます。
現在実施されているのは、幼稚園教諭二種免許状・小学校教諭二種免許状・高等学校教諭一種免許状(情報)の3種類です。受験資格は「高等学校を卒業した者、その他大学(短期大学等を含む)に入学する資格を有する者」で、大学の卒業を要件としていません。
参考として、令和8年度の小学校教員資格認定試験では、受験手数料は25,000円、出願期間は令和8年2月9日〜3月6日、第1次試験は5月10日、第2次試験は9月5日に設定されていました。日程・費用は年度ごとに変更される可能性があるため、受験を検討する年度の最新の受験案内を必ず確認してください。
参考:令和8年度 小学校教員資格認定試験 受験案内|独立行政法人教職員支援機構
特別免許状
特別免許状は、教員免許を持たないものの優れた知識・経験を持つ社会人等を教師として迎え入れるための免許状です。大学での単位修得は不要で、任命または雇用しようとする者(教育委員会や学校法人等)からの推薦に基づき、都道府県教育委員会が教育職員検定(書類審査・面接等)を行った上で授与されます。
このため、特別免許状は個人が単独で申請する制度ではなく、採用側との接点があることが前提になる点が、教員資格認定試験との大きな違いです。
参考:学校における外部専門人材の活用について(特別免許状及び特別非常勤講師制度)|文部科学省
5. 免許を取らずに学校教育に関わる方法
すぐに免許取得を目指すのが難しい場合、特別非常勤講師制度を使って教科の一部を担任するという選択肢もあります。これは、地域の人材や多様な専門分野を持つ社会人を学校現場に迎え入れるための制度で、教員免許を持たない非常勤講師が、教科の領域の一部を担当することができます。
ただし、任命・雇用しようとする者から授与権者(都道府県教育委員会)への届出が必要となるため、採用側との接点があることが前提になる制度です。
6. 免許を取得したら、教員になるには
免許を取得した後、教員になる方法は教員採用試験だけではありません。自治体への講師登録、私立学校への応募など、複数の選択肢があります。
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教員になるには採用試験だけじゃない!意外と知られていない方法とは?
TFJという選択肢|経歴や免許の有無にかかわらず、教育現場に関わる道
ここまで見てきたように、教職課程を取らずに卒業した場合でも、免許取得や教育現場への関わり方には複数の道筋があります。Teach For Japan(以下、TFJ)のフェローシップ・プログラムも、そうした選択肢の一つです。
TFJは、教育を通して社会をより良くしたいと考える多様な人材を、教員免許の有無に関わらず選考し、研修を通して教師としての資質・能力を育みます。連携自治体が発行する臨時免許状・特別免許状を活用しながら、2年間「教室」に赴任する仕組みです。2025年度に赴任したフェローのうち、民間企業等の勤務経験者の割合は81%にのぼり、日本の新規採用教員全体(約4%)と比べて多様な背景を持つ人材が学校現場に加わっています。
「教職課程を取らなかった」という経歴は、教育に関わる道を閉じるものではなく、むしろ多様な専門性を学校現場に持ち込む出発点にもなり得ます。
よくある質問
Q. 教職課程を1単位も取っていなくても、今から免許は取れますか?
A. 取得可能です。通信制大学や科目等履修生制度で必要単位をすべて修得する方法、または教員資格認定試験を受験する方法があります。ただし取得できる免許種や必要な期間は方法によって異なります。
Q. 教員資格認定試験に合格すれば、そのまま教員になれますか?
A. 認定試験は免許状取得のための試験であり、教員採用選考試験とは別です。合格後に免許の授与を受けたうえで、公立学校であれば教員採用選考試験、私立学校であれば学校法人等の採用試験に合格する必要があります。
Q. 特別免許状はどのように申請できますか?
A. 特別免許状は本人からの直接申請ではなく、任命・雇用しようとする側(教育委員会や学校法人等)からの推薦を前提に、都道府県教育委員会の教育職員検定を経て授与されます。
まとめ
教職課程を取らずに卒業してしまった場合でも、免許取得の道が完全に閉じるわけではありません。大学に戻って単位を修得する方法、教員資格認定試験や特別免許状のように単位修得を経ない方法、免許取得前から学校教育に関わる特別非常勤講師制度まで、状況に応じた選択肢が用意されています。まずは自分がどのルートに合うのかを整理し、必要な情報を一次資料で確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。
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